【ZUN絵風講座】紅魔郷っぽい描き方編【第3回】

ZUN Style Art

改めまして、こんぶです。

皆様お待たせいたしました。
今回からいよいよ実際にイラストを描いていきましょう。
栄えある最初の本格的な記事は「紅魔郷風」です。

この記事での解説は主に立ち絵風のイラストを対象としています。
ED風などについては機会があれば別記事にて取り上げます。

今回から淡々と説明したいので「こうしましょう」とか「こうして下さい」等の口調で書いていますが、全て言葉の前に「(あくまで主観なので正しいかどうかは分からないけど、私のやり方を真似したいと思ってくれるなら)」が付きます。

また説明のために原作絵のトレスを用いています。
あくまで説明用ですのでご理解の程よろしくお願いします。

こんぶ
こんぶ

次回以降はここら辺の注意文も書きません。ご了承下さい。

なお初回記事の為、細かく説明していますが「ここを更に細かく」とか「記事が長いから端折って欲しい」とかいろんな意見があると思うので、コメント下さると次回以降に反映されるかもしれません。

前回はこちら

 

⓪頭身を知ってからラフ画を描く

ZUN絵風イラストを描く際、まず着手する前に行っているのは各作品毎の特徴(特に頭身)を把握することです。

「バランスを考えながら下書きを描く」といえば当たり前の事ではあるんですが……これがまた実際に描くと難しいんですよね。

ちなみに、どうやって頭身を調べたかと言うと
全体絵を並べたり重ねたりして、その平均値を洗い出しました。かなりシンプルです。

では紅魔郷風の大まかなバランス(当社比)はと言いますと、こんな感じです。

おおよそ5頭身で頭:胸:腰:足の比率は1:1:1.5:1.5くらいですね。上半身がかなり短いのが印象的です。

これらの特徴は、紅~永まで割と共通していると思いますので、この図を覚えておくとよいかもしれません。

こんぶ
こんぶ

線画自体にも共通項が多いと言うだけで、各作品で足の長さなど微妙に異なる点もありますのでよく観察してみましょう

①ラフ画を描く

ラフは第二回でお話しした通りお好きな手法を用いて描いてみて下さい。自分は先程の頭身図に服を付け足して地霊殿ポーズで描いてみる事にしました。

さてポーズですが、紅魔郷はあまり動きのあるキャラがいない為、基本的に棒立ちで手だけで動きをつける事を意識しています。
(ちなみにキャンパスサイズは2000×2000です)

②線画を清書する

※各画像クリックで拡大します。

先程のラフ画を参考にしながら描いていきしょう。
筆のサイズはちょっと細めにしています。

ここで描く際に気をつけたポイントを纒めてみました。

紅魔郷は他作品と比べて各キャラの共通性……つまり「紅魔郷の特徴」と挙げられる点がかなり少ない為、再現難易度が高い作品となっているように感じます。

さて画像にある程度は書き込みましたが、長くなりそうで描き込みきれなかった点を別途解説します。

★目

一概に全てそうとは言えませんが、永夜抄と比べると目は小さく半目な傾向があります。
妖々夢は紅魔郷と永夜抄の中間くらいですね。やや半目気味ってイメージです。

また鬼形獣などと比べると紅魔郷を含む初期作品は全体的にまつ毛(目の上の線)が薄めです。

★髪

近年に至るまで横に広がった髪が特徴的です。
髪を普通に描いてしまうと髪のボリュームが足りなくなるので要注意です。

また線画は参考程度に書かれています。
塗る際にはみ出したりして調整しているので、ザックリ描く程度で良さそうです。

 

★体のライン

上着は鬼形獣などと違い、胸やくびれが殆どありません。神霊廟くらいまでこのパターンが多いです。
服をピッタリ描いてしまい胴体がやけに細いイラストになるという事がよくあるので注意してみてください。

他にも、作品によって耳が描かれたり描かれなかったり……そういった細かなポイントも意識してみましょう。

こんぶ
こんぶ

最終的に線画の色を薄くしますので、アナログの場合は最初から薄く描いた方が良いと思います

③色を塗る

先程線画において「頭身は割と共通」といいましたが、逆に描き分ける方法で一番特徴的なのは「色の塗り方」です。各作品の特徴をよく見ながら塗っていきましょう。

(1)ベタ塗り

まずは大まかな色を決めていきます。
肌の色は薄く、服は原色が多いです。

基本的には原作の色味を見ながら近い色をチョイスするといいかもしれません。

こんぶ
こんぶ

髪は見やすいように色を仮置きしてるだけで、白地から塗り進めます。
アナログの場合は髪はまだ塗らない方がいいです

(2)肌の影

ここからは基本的に水彩ペンしか使いません。
縁をボカシながら塗っていきます。
苦手な人はGペンで描いてからボカしてみましょう。

アナログの場合は強弱をつけて塗ることを意識してみて下さい。
(髪と目以外はほぼ塗り方変わらないので説明を簡略化します)

おおよそ影をつけるエリアは虹龍洞に至るまであまり変化はなく、輪郭・首回り・服の境界線を中心に塗っていきます。

初期風ではボカシながら塗る。鬼形獣などはアニメ塗り。

色味については影を塗る際に一般的なイラストでは色が濁らないような色選びをする事が多いですが、ことZUN絵風に関しては暗くて重い色を選んでも良さそうです。

ここまでは初期ZUN絵全般の話をしましたが、紅魔郷としての特徴は「頬の塗り方」が挙げられます。形を決めずに塗るといいです。

妖々夢あたりから次第に丸い頬の表現になっていき、風神録あたりで今ではお馴染みの塗り方になっているように感じます。

また紅魔郷のZUN絵にしては珍しく唇を塗ってあるキャラもいるので、そこも他作品との差別化ポイントになります。

(3)目の塗り方

薄い色でベタ塗り→目の淵と瞳孔を濃い色で塗ると言う流れになります。水彩ペンでボヤかしながら塗るとそれっぽくなります。
ハイライトを大きめに塗ってみましょう。

(4)髪の塗り方

1番の難所かつ、イラストの肝とも言えるこの工程は、髪色の濃淡によりハイライトをどれだけ残すかが肝になります。

美鈴や霊夢の様に髪の色が濃いキャラは多めに塗っても良いですが、チルノや咲夜の様に髪の色が薄いキャラはハイライトの量が極端に多い為、影を塗るイメージで地毛の色を置いていきましょう。

この手法は今後の作品でも使うことがあるので覚えておくと良いです。

(5)服の影

服の影は濃いめ&少なめに塗りましょう。
基本的には生地の色を濃くした様な色を、水彩ペンで塗っていきます。

肌と同じく、各作品毎に強弱は異なりますがだいたい塗るエリアは同じです。肩回り、腰回りを中心に影を塗っています。
鬼形獣あたりになると胸元の影が出来ますね。

ポイントとなるのは白い生地の塗り方です。
白生地の影というと灰色を塗りたくなるところですが、シリーズを通して薄暗い赤(もしくは薄暗い水色)で影をつけることが圧倒的に多いです。
キャラに合わせてどちらかで塗りましょう。

④仕上げをする

(1)線画の色を変える

ここまででイラストは完成しましたが、物足りない気がしますね。最後の仕上げをしていきます。

分かり辛いですが、まず肌などの薄い色と隣接する線の色を薄くしました。線画をクリッピングして、灰色などで塗っています。

こんぶ
こんぶ

アナログだとコレが出来ないので最初から薄く書いた方がいいっていう話でした

なんとなく柔らかい印象になって、東方初期ZUN絵特有の幻想的な雰囲気になったと思いませんか?

ちなみに紅〜紺くらいまでは、こんな感じで線画の色を塗って馴染ませることが多いです。(特に紺とかはわかりやすいかも)

(2)画質を落とす

続いては画像の解像度を落としていきます。
画像の解像度をおおよそ半分まで下げた後、拡大しています。(2000×2000→900×900)

なんとなく輪郭がボヤけた気がしませんか?
紅〜永などは画質があまり高くないので、大きなレイヤーで描くと綺麗すぎて違和感があります。

余談ですが、最初から低画質(小さいキャンバス)で描いても良いのかもしれませんが……動画などに使う際に後から画質を調整できないというデメリットがあるので、高画質から描いた方が断然いいと思います。大は小を兼ねるという奴ですね。

こんぶ
こんぶ

この工程はただの私のこだわりなので、高画質状態で気に入っているならそのまま使用しても良いと思います

⑤最後に

いかがでしたか?

大層な記事を書かせていただいたのですが、普段自分が描く時は感覚でやっているので……いざ記事を描こうとすると中々言葉が出てこず、説明が難しくなってしまったかもしれません。

「この記事を読んで描いてみたよ!」って方がいましたらTwitterなどでハッシュタグ#東方風ラボをつけて投稿していただけたら見にいきますので是非描いてみてください。

今回だいぶ長くなってしまったので、次回「妖々夢風」では今回記事との差異を中心に話をしていきたいと思っています。

感想などコメントなど頂けると励みになりますのでどうぞ宜しくお願いします。

この記事を書いた人
こんぶ

東方原作っぽいイラスト(ZUN絵風)などを気まぐれで描いてます。

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